「バカじゃね?」
ペシッ
痛烈な言葉と共に小さな衝撃。
「ぃたぁ…なにすんのよ。」
はたかれた頭を撫でながら振り向くと、呆れ顔のカズヤがいた。
「お前が、何してんの?今の彼氏だろ…また合コン行かせたのかよ。」
幼なじみのカズヤは、遠慮なく言いたいことを言う。
「まぁ……合コンはね。付き合いもぁるだろぅし?」
「お前とのデートより付き合いが大事なわけ?」
痛いとこつくなぁ。
「断れない優しい性格なのっ!合コンなんてただの飲み会じゃん。」
「持ち帰りは?」
「ぁりえないっ!」
合コンへ行けば必ず人気NO1の女の子と消えるっていぅのは、有名な噂。
付き合う前も……後も。
「……ぁりえないんだから………。」
今にも泣きそうな声で呟くアヤカを見て、カズヤは嘆息した。
「マジ素直じゃねぇな……あ、お前暇だろ?」
「どぅせ暇ですよ〜。」
「これ。」
ピラッと紙切れを2枚取り出すカズヤ。
あ、今話題のラブコメ映画のチケットだ。
「マキが行けなくなったから、アヤカと行ってくれって。」
「ほんと?ぅわ〜観たい観たい!マキありがとぉ!」
マキとは、私の親友でカズヤの彼女。
「行くか。」
「ぅん!」
私達は映画館へと向かった。