年下の彼6

カトリ  2007-04-24投稿
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優希は、航と外に出た。

しばらく、無言であてもなく歩いた。

「…ごめん。わざとだよ。」

優希が先に口を開いた。

「ん。知ってる。」

「…じゃあ、放っておいてくれればいいのに…。」


「無理だよ。それは。だって俺」
言いかけた言葉を阻んで優希は言う。

「航くん、なんで私、最近あの場所に行かないかわかる?」

「部活引退して、受験勉強してるから…?」

「違う。甘えさせてくれる彼氏ができたから。あの場所はもう必要ないの。」

「…わかった。」

半分は嘘だった。それでも、優希は心にかかったモヤモヤが少しは晴れた気がしていた。


1月。

推薦入試を終えて、合格発表を控えた優希は、カレンダーの前にたたずんでいた。


生理が遅れている。


開始予定日を3週間過ぎていた。


今までも、一週間ほどのズレは何度もあった。

受験勉強のストレス…?…


思い当たる節は他にもあった。


あれからも、何度か圭吾とラブホテルに行った。なん度か避妊をしなかった。

優希は、頭が真っ白になった。


…妊娠……?…

いや、ストレスかもしれない。

落ち着け。
自分に言い聞かせた。

数日後、発表の通知が自宅に届いた。
《合格》

優希は、第一志望の私立大に合格した。
進路は決まった。


携帯が鳴る。
圭吾からだ。
「もしもし。圭吾?」

『結果、届いた?』

「うん。受かった。」

『おめでとう。これから会お。お祝いしよ。』

「うん。」


優希は、今自分が抱えている問題を、圭吾に話すつもりはなかった。圭吾は来月受験を控えている。余計な事は考えて欲しくなかった。


「優、ラブホいこ。」

会うとすぐに圭吾は言った。

「ごめん。…今日は…」

「アレの日でも、俺は構わないよ?行こ?」


「ごめん。今日は帰る。」

「優?どしたの?何か怒ってる?」
「ううん。何か、風邪気味みたい。帰って寝る。」

「そっか…。じゃあ、送る。」


圭吾にとって私は、セックスをするだけの相手なのだろうか。
とても、胸が苦しくなった。
でも、そう思っていたのは私も同じだった?

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