綺麗な夜空。
目の前の炎。
泣いていた私。
炎の中では人が燃えていた。目から、耳から、口から、炎が吹いていた。
燃えている、男の人と女の人。
私の父と母だった。
燃える中、父と母は私を見ていた。
私を怨み、憎む目だった。その目は、私をどこまでも責め続ける。
私のせいだと言わんばかりに。
私が殺したと言わんばかりに。
どこまでも、私を追い詰める。
“助けて”と泣き叫ぶ声。耳が裂けるほどのすさまじい悲鳴。
燃える人間。異臭を放ち、火花が散る。
そして、炎の中から、這い出してくる。
ところどころが黒ずんでおり“人”とは言い難い、異形と化した“物”。
「ぃ・・・っ!!」
掠れた声が、喉のから絞り出される。
徐々に“それ”が近づく。「ミ・・・キ・・・エ」
“それ”は私の名前を小さく叫んだ。
私の足に“それ”手が私の足に触れる。
「ひっ!!」
全身に悍ましい感触が広がった。
「いっ!!いやぁぁぁぁ―――っっ!!!」
「っ!!!」
・・・・・。
「はぁはぁ・・・・」
息が荒い。
「夢・・・・?」
冷や汗が背筋をつたい服が濡れていた。
「なんで・・・・・」
思い出したくなかったのに。忘れていたかったのに。