―僕の事情―8

T.K  2007-04-24投稿
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あっという間に海斗の部屋。
現在の状況を簡潔に説明しよう。

僕と海斗は今ベッドに並んで腰かけています。

はぁー……ありえない。

僕は心の中で深い溜め息をついた。

どんだけ僕の事いじめりゃ気がすむんだよ、神様。

こんなの生き地獄だ。

「で、涼。どんな悩みなわけ?遠慮せずに言えよ。ちゃんと聞いてやるから。」

こいつ…確信犯か?

こんな状態で何をしゃべればいいのさ!

僕は混乱におちいった。

すぐ横には大好きな人がいて、部屋には二人きりで…おまけにベッドだぁ!?

僕は自分でもわかるくらい顔が真っ赤になっていた。

顔が熱い。頭がおかしくなりそうだ。

そんな中で僕の頭にふと今朝の事が蘇った。

そうだ…今朝の事、謝らないと…

僕は朦朧とする思考で必死に言葉を探した。

「あのさ……」

紅潮した頬を見られたくなくて俯き、拳を握りしめ、必死に言葉を紡ぐ。

「ん?」

「…今朝、ごめん。」

やっと、言えた。

心の靄が一つ消えた気がした。

「あぁ、別にいいよ。涼は悩んでて苛ついてたんだろ?ちゃんと分かってるから。」

ふと海斗の顔を見上げると、優しい顔で僕を見ていた。

僕は首が痛くなりそうな程素早く顔を背けた。

「…不意打ちで…その顔は反則だよ……」

僕は聞こえないように小さく呟いた。

「え?何か言ったか?」

「なっ、なんでもない!」

海斗の質問に僕は海斗を見てわたわたしながら慌てて答えた。



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