年下の彼7

カトリ  2007-04-24投稿
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予定より一ヶ月程遅れて生理がきた。

けれど、優希の決心は変わらなかった。

圭吾とは、終わりにする。

ただ、圭吾の受験が無事に終わるまでは、波風を立てたくなかった。


だが、学校以外で会うことを避ける優希に圭吾は薄々別れの予感を感じていた。

「優、たまに、飯でも食って帰ろうか。」

「…うん。圭吾の予備校の時間までね。」


駅前のファミレスに入る。注文を終えると圭吾は優希の手を握った。

「…圭吾?」

「優、俺と別れようと思ってる?」

優は言葉が出なかった。
ただ、圭吾の視線をそらす事ができず、身動きも取れなかった。

しばらく、無言で優希の手を握っていた圭吾が話し始める。

「…ごめん。優。」

「…えっ…?」


「本当は少し前からこんな付き合い方でいいのかなって思ってた。」


「…圭吾…」


「もっと、気持ち伝え合ったり、ゆっくりどこか出掛けたり…やっぱり、俺らのは普通のカップルって感じじゃなかったよな。」


「…うん。でも、私、最近までは違和感なかったよ?」


「俺も。でも、なんか物足りなくなった。何度、優を抱いても満たされなかったのは心だった。でも、それをどう埋めればいいか分からなくて、を体にぶつけてた。」


「…うん。…私も同じ…。」


「ごめん。」


「謝るのは私の方。ごめんね。圭吾。受験…これからなのに…」


「いや。逆にすっきりできた。ちゃんと話せて良かったよ。ありがと。優。」


「ううん。」


本当にこれで終わりになる。あふれ出そうとする涙をこらえる。

決して人前で涙は見せない。

絶対に…



二か月後、優希は高校を卒業した。

優希が通う大学は自宅から通えない距離でもなかったが、通学に一時間半かけるのは嫌だと、大学の近くにアパートを借りた。

四月の始め、引っ越しを済ませ、優希の新生活が始まった。

不安と期待、寂しさと解放感、いろいろな気持ちが入り交じっていた。

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