『お願い、玉子焼き１つだけ！』
空腹が限界に達した俺は、チーム内では俺の“相棒”役の道弥（みちや)におねだりをした。 『やだよ。つーかお前、弁当どうしたの？』
『いや〜、まいっちゃったよ。来る途中で女子とぶつかってさぁ。んで相手の弁当吹っ飛ばしちゃったんだよ。』
『それで弁当あげて来たの!?バカかお前。』 相棒からの鋭い喝。厳し?????。
『ふぁ〜〜〜、腹減ったなー。』
腹の減りすぎで意味もなくふてくされかけた、その時『あの〜‥‥‥野球部の部室ってここですか？』 ノックされたドアの方から、弱々しくも優しい聴き覚えのある声がした。
さっきぶつかった彼女だ。急いでいたのでわからなかったが今こうして見ると、かなり可愛い。
『ど、どうかしましたか？・何かご用ですか？・何かお捜しですか？。』 女子に飢えた獣どもが一斉に近寄った。
『いえ、あの‥‥‥その‥‥‥』
うわ、恥ずかしがってる。‥‥‥可愛い〜！。
『ほら、困ってるだろうが！どけろ。何かご用？』
すかさず道弥が救いの手を差し出した。ちッ、先越された。
『あ、あの〜雅春さんいますか？』
お、俺ご氏名？
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