for you..
あなたは今どうしてますか?
あなたは昔どんな人でしたか?
あなたはこれからどうなっていくの?
あなたの全部を知りたい。でも、どんなに手を伸ばしてみても届くことのないあなた。
あなたは私を愛しいと思ったことがありますか?たとえあなたがどうであろうと、私は誰にも負けないくらいの愛情を抱いてしまった。後悔とも達成とも言えない感覚。
こんなに好きだからもっと、もっともっと好きって言えれば良かったのに‥。
一人膝を抱えてすすり泣く日々もあった。こんなにも悲しい思いをしているのは自分だけじゃないかと本気で思う日もあった。涙すら出ない日もあった。
だけど、私はあなたに大切なことをたくさん学んだ。人を愛することの責任と、自覚と、強い気持ち。
いなくなってしまって初めて気付くんだね。
素直になれないのは、恥ずかしいくらいあなたが好きだからだよ?
強がってしまうのは、嫌われるのを怯えているからだよ?
毎日思い出さないようにしようとしているのは、毎日思い出しているのと同じなんだよ?
どんなに思いがあってもどれも可哀想な言い訳に聞こえますか?
どうして‥
‥。ここまで書いて那奈の手は止まってしまった。
どうして‥
「どうして忘れさせてくれないの?」
那奈にはこれ以上書くのは辛すぎた。
那奈は封筒に書きかけのままそれを入れ、宛先も書かず、切手も貼らずに両手に抱えて飛び出した。
初めて流星と会った場所にあるポストの前で立ち止まって、一気に思い出がフラッシュバックし、那奈はその場に倒れ込んで大空の下で小さな子供のように声を出して泣いた。
通りすがりの人がみんな見ていた。
心配そうだったり、軽蔑していたり、たくさんの人に見られていたが、那奈は構わず泣いていた。
ふと我に返ったとき、目の前に手を差しのべて立っている男がいる。
名前も知らないのに、なんだか昔から知り合いのような懐かしい面影。
彼の名は、
桜木優人。
【続!!?】