年下の彼10

カトリ  2007-04-25投稿
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優希と航は外に出た。


「航くん彼女できたんだって?どんな子?」

「…別れた。」

航はうつむきながら答えた。

「そうなんだ…。ごめんね。変なこと聞いて。」

首を横に振り、少し間をおいて航が口を開く。


「俺、やっぱり、優希さんの事、諦められない。」


「……航くん?」

「夏休み、また会って実感した。忘れられるかと思ってたけど、だめだった。」


「…うん。でも、私、四つも年下の男の子とは付き合えないよ。」


「……そうじゃなくて…」


「…?…航くん?」


「優希さんは、俺の事どう思ってるの?それが聞きたい。」


優希は確実に航に魅かれていた。

ただ、戸惑っていた。


「…正希の友達だし…やっぱり無…」

航は優希の肩を抱き寄せた。


「ちょっ…航くん!?」


「年下とか正希の友達とかじゃなくて、ちゃんと優希さんの気持ちを教えて。今の気持ちを。」


鼓動が高鳴る。航の鼓動も優希に伝わってくる。


「ごめん。…よく分からないの。」


「…何が?」


「航くんの事、気になってしょうがなかった。でも、恋愛感情じゃないかもしれない。」
優希は正直な自分の気持ちを航に伝えた。

「うん。」


「航くんの事、もっと知りたい。」

「うん。」


「…以上。もういい?…」


優希は航から離れる。


「優希さん。」


「ん?」


「俺も、もっと優希さんを知りたい。」


「…うん。」


「とりあえず友達 になって?」


航の言葉に、優希は、はにかんでうなずいた。



「さん付けは禁止ね!航。」


「ん。」


「んじゃあ、呼んでみて?」


「…優希…。」



「うん。」


「そだ。航。受験終わったら、水族館いこ?」


「うん。」


2月

航と優希はメールや電話はしていたが、二人で会うことはなかった。


『N高校、受かった。お祝いしてくれる?』


「うん。じゃあ、なんかご馳走する。」


二人は食事に出掛けることになった。





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