「だけど結果は違った。
トップは貴方に真っ先に撃墜された[キク星系中央艦隊提督]の息子。
そして貴方は補欠合格…。」
「…。」
「正直愕然としたわ…。
まさか、戦後50年でそこまで軍が腐ってるなんて…。」
そうだ…後からわかった事だが、あの試験は結果の決まった出来レースだったのだ。
どうやら提督側から、試験官に多額の賄賂があったらしい。
俺は一時、軍に絶望し、補欠合格も辞退しようとしたのだが…。
その時声をかけて来たのが今の隊長だったのだ。
と、ここでアリアが再び笑顔に戻り、
「あっ、でもね…一つだけ知っていて欲しい事があるの。」
「?」
アリアは苦笑しつつ、
「実はあの後、私、政府に抗議したの。
そうしたらね、向こうの担当官がこう言ったの…「貴方もですか。」って。」
「え…。」
「フフッ、つまりね、私以外にも…たぶんあの場にいたほとんどの人が、あの決定に疑問を感じて抗議の電話をしていたの。
まぁ、結局、一度下された決定を覆すことはできなかったのだけど…。」
「…いえ、ありがとうございました。」