…素直に嬉しかった。
これまで自分は軍に必要とされていない、自分を正しく評価してくれる人はいないと思っていた。
「…本当はすぐにでも貴方をスカウトしたかったのだけど…上の方には頭の固い人が多くてね…。
[補欠合格の新人を、特務隊に加えるわけにはいかない。]
なんて言われてね。
だから私は待つ事にしたの。」
そこでアリアはニッコリと微笑み、
「貴方なら、どこに居たって必ず、3年以内に何か大きな功績を挙げて資格を得るって信じていたからね。」
ここにも自分を信じてくれていた人が居た…。
その事実に、すでに俺の心は決まりかけていた。
「オオトリ軍曹…君の気持ちはわかっているよ。」
ここで初めて、沈黙を保っていた隊長が口を開いた。
「君が軍を信じられない気持ちもわかる。
だけど大佐のことは信じてもいいんじゃないかな。
…私も君なら何か出来ると思った…だからあの時君に声をかけたんだ。
あのままじゃきっと君はその才能を捨ててしまう、と思った…それは、軍にとって、人類にとって大きな損失だと思ったんだ。」