…隊長は照れたように笑うと、
「…行ってきなさい。
君はこんな所に居るべき人間じゃないよ。
その力は、もっと広い世界で役立てるべきだよ。」
ここにも信じてくれていた人が居た…。
思わず言葉に詰まる。
静かに話を聞いていたアリアが、再び話始める。
「…本当は機密に触れるんだけど…貴方と隊長さんを信じて話すわ。
《ホーリー・ピーコック》の任務は全て極秘任務なの。
機密物資・文書の輸送から、潜入・偵察・戦闘まで…なんでも屋みたいなものよ。
もちろん危険も多いわ。
だけど私は上司の…部隊の創設者の言葉を信じてるの。」
そこで一旦言葉を切り、思い出すように語りはじめた。
「これは、創設当時…私が初めてあの方にお会いした時の言葉よ。
[この部隊は特殊な部隊だ。
秘密裏に活動する事がほとんどだろう。
だから、たとえどんなに大きな事を成しても、どんなに難しい任務をこなしても、どれほど成果を挙げようとも、称讚を浴びる事も、評価される事も、歴史に名を残す事もないだろう。
だが…それでもやらなければならない。
次の時代のために。
次の次の時代のために。]。」