みらい

トコ  2007-04-26投稿
閲覧数[294] 良い投票[0] 悪い投票[0]

中学を卒業して、君に出会った。
春の暖かい日だった。

プルル…
自宅の電話が鳴った。
やばい!パパが出る前にでなきゃっ
そう思って受話器に飛び付いた。
うちのパパは私宛てに男の子から電話がかかってくると、友達だろうが先輩だろうが関係なく切ってしまう。
その頃はまだ携帯電話が当たり前の時代じゃなく、ミカは持っていなかった為、自分宛ての電話も全部自宅の電話にかかってきてた。
「はい、日下部です。」
急いで出ると少しためらったように「…ミキさんいますか?」と、若い男の子の声。
「私ですけど…誰??」
少し沈黙があり「俺、中学一緒だった高田亮二!一個上の…」
高田…?あ〜、昔真奈美と付き合ってた人だ。
「どーしたんですか?」
「俺さ、ミキちゃんの事ずっと好きだったんだよ!だからさ、付き合って!」
はっ?何急に?…あれ?でも待てよ。一年ぐらい前、確かに一度告られたよぅな…
ミキは特別美人ではなかったが、中学の時は色んな人から告られたりしてた。というのも告ったりするのがウチの学校のブームだったんだ。
たいして好きでもないのに告白して、付き合ったり。そんな感じだったので、告白された事さえよく覚えてないのだ。
「イヤー、でも…」
「返事はOKだったら、俺のピッチにワンコールしてくれたらいいから!」
ガチャッ
電話が切れた。まだ話してる途中だったのに…
ミカは大きな問題に気付いた。
番号しらねーよっ!
プルル…
「はい、日下部です」
「あ〜俺、俺!ごめん、番号言ってなかったね!070…。これ、番号。0時までによろしくっ!」
ガチャッ

笑えた。なんだ、この人。マジうける。
一人で思い出し笑いをしてると、リビングの方から「ミキ〜、誰だったの?」ママだ。「うん、友達〜」
そう言って、自分の部屋に小走りで戻った。
なんだか、愉快な気持ちだ。亮二さん、中学の時はちょっと悪ぶってて、ナルシストで、ミキ的には嫌いなタイプって思ってたケド、なんか可愛い♪彼氏いないし、面白そうだし、さて、ワンコールするか。
ワンコールとはその名の通り一回だけのコールの事。
彼氏もいないし、悪い人じゃなさそうだし、いっか♪
ミキはそんな軽い気持ちで遅れて教えてもらったピッチにワンコールをした。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 トコ 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ