ウサキチ、、

ホッチ  2007-04-27投稿
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僕の家には兎がいます。

僕が産まれた年に拾ってきたみたいです、、。

そう、古時計的な、、。

でも僕は奴が嫌いです!

僕のお菓子をつまみ食いするし、僕の布団にまんまるい糞するし、体はいくら洗っても臭いし、、。

でも、何か食べてるときの口の動きは好き。可愛いい。

ママに怒られて、布団にくるまり寝ていると。さりげなく一緒に寝てくれる、、そこは好き。

共にもう十年も生きている、、ずっと続くと。

五歳の時、ママから『命を授かったら、いつかまた神様に返さなきゃならないのよ。』

怖いことを言われた、、。

そのときは母がいなくなった時のことを想像して、涙が止まらなかった。


ウサキチが血尿した、、僕が小四のとき、、。
最初は僕から出ているかと思って鏡の前でちょこまかしてみた、、やっぱ彼女からだ、、。

ウサキチとは言え奴はメスだ、、医者は「乳癌」だと。もう助からないと、、。

兎が十年も生きているのは、大変珍しく。
乳癌になる兎もまれらしい、、突然の宣告。

家に帰ってからもウサキチがいなくなる実感が湧かなかった、、。

ママは泣きながらウサキチを撫でている、、茫然と眺める僕。

、、あっ!!そうか、、泣けば良いんだ、、。

最初はポロポロと、、ダムの崩壊、、後に多泣きする。
そんな僕をヤツレ始めていたウサキチがみている、、逆に慰められた気がした。

一週間後、、彼女は旅たつ。

冷たくなったウサキチ、いつまでも抱き締める、、。
こんなにも悲しい、こんなにも苦しいのならもうペットなんかいらない!!

母に叫ぶ!!

『強くなりなさい、、。』

静かな声で、ママは囁き。僕を抱き締めてくれた。

ウサキチのことを忘れまいと彼女の歯を加工して、ネックレスにした。

初めての友達、それ以上に僕は彼女を好きだったんだと思う。

ウサキチの十二周忌、、デート中、、付き合ってる彼女に聞かれる。

『いつも着けてるね、それ。
何かのお守り?』

えっ、、?これはね、、、


これから梅雨にはいろうかと紫陽花が準備にとりかかり、蛙の合唱練習も気合いが入っている。

また一年経っちゃったね、、空をみながら彼女にウサキチとの想い出を、、。

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