第六感-電話-

有姫  2006-02-12投稿
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皆さんは電話のベルが鳴る前に、電話がクル!と思ったことはありませんか?私はよくあります。
私は中学時代ヤンキーでした。煙草、酒、破壊、喧嘩なんて当たり前。
でもそんな私も、高校では真面目に勉強して就職して一人暮らしをすることを夢見ていたので中学3年生の終わりに族の仲間に縁を切りたいと宣言しました。もちろんただで許してくれるほど緩い族ではなく、私はボッコボコにやられてしまいました。私も必死に猛反発し、6人くらい気絶させましたが、総勢50人以上いる仲間に立ち向かうには無力でした。
するとここの族を取り締まる親分が現れて、私に「ゲームで勝てたら開放してやる」と言ってきました。
しかしそのゲームが不利のなんのって。今から親分の携帯に電話がかかるのは何時間後かあてられれば私の勝ちということです。ものすごく不本意なゲームであったけど、受けなければ自動的に負けが決定されて強姦の刑であることはまぬがれない。私は全神経と勘を研ぎ澄ませて瞑想しました。私は真剣になって、心も体も脳内も全て真っ白になるように自分自身に催眠をかけるような感じで一人の世界を作りました。
周りからの音を完全に聞こえなくなると、体も自然と空を舞うかのような感覚になってきました。実はこれは私の特技の一つで、第六感を使うときに現れる感覚なのです。そんなことも言っても信じてもらえないいし、理解もできないかと思いますが、なんとか無理やり正常化して下さい(ムチャなお願い)。
すると真っ白な世界の中で一瞬フッと数字が現れました。
「6」という数字。ただそれだけです。そこで私は我にかえりました。
親分は「答えろや」とガンつけてきます。周りの仲間のボルテージも最高潮です。だけど私はすぐにこたえられなかった。「6」という数字は「時間」なのか、それとも「分」なのか・・・。「秒」も考えましたが、目覚めて6秒後にベルがならなかったのでその選択肢は消えました。自分の中で戦う「分」と「時間」。目覚めてから5分がすぎた時、私はおもいきって決断を出した。それは焦りからとか、今すぐここから逃げたいというキモチから私は
「1分後です。」と答えてしまった。



1分後。






みごとに親分の携帯に着信が入った。
私は一目散に出口をめがけてこれまでにないくらい全力で走って消えた。



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