自慢だが、僕の彼女は可愛い。
絶世の美女というわけではないが、可愛らしい顔つきだし、スタイル抜群というわけではないが、細身の整った体型だ。
性格は…甘え上手なオラオラ系とでも言おうか、夜中三時に「今から来て」と突然呼び出してみたり、「昨日飲み会で…」とか言っていつの間にか他の男と遊んでいたり、かと思えばやきもち焼いて泣いてみたり。他には…他には、「真一と葉子が喧嘩したって」「ふーん、早く仲直りできたらいいね」「…あんま興味ないだろ?」「そんなことないよ」「態度に出てるよ」「…興味ない、他人のことは」「他人って…友達だろ」「自分以外はみんな他人だよ」
こんな言い合いをすることもあった。決して触れさせない核を持っていて、傷と言った方がいいのかもしれない。
そんなところにもどうしようもなく惹かれていた。
ぼーっとしてるうちにマンションについた。階段を上がってる途中303号室の戸が開いた。
中から出てきたのは彼女…ではなく彼女の親友の麻奈美だった。真奈美は僕を見つけるとひどく驚いた顔をして、そのつぎに引きつった笑顔で会釈をして逃げるように僕の横をすり抜けた。