「あっ・・・あれは・・・―――」
警備員に囲まれながら黒のスーツを着た人が出てくる。
「萎靡川 昭蔵っ!!!」
「さすがだな・・・この場所までつきとめるとは・・・―――」
と、言うといきなり、萎靡川 昭蔵が、警備員の首をつかんで言う。
「おい!御前っ!!あれほど気を付けるようにいっただろぉが!」
「は・・・・はいっ・・・も、申し訳ありません・・・・」
警備員が苦しそうに言う。
「もぉいい!御前は使えん!おい!誰かコイツを殺してしまえっ!」
「!」
『コイツを殺せっ!!!』
啓吾の頭の中に過去の言葉が蘇ってくる。
「やめろ・・・・・っ」
「?・・・・・啓吾っ・・・?」
「やめろぉっ!!!!!!!!!!!」
啓吾が縛られていたロープを引きちぎり、周りに居た警備員をなぎ倒し、
萎靡川 昭蔵を殴る。
「啓吾っ・・・・?」
「何なんだコイツはっ?!!!早く捕まえろっ!!!!」
「やばっ・・・・」
怜が、ロープに縛られつつ、地面に手をつく。地面から電気が走り、警備員と萎靡川 昭蔵が気を失った。
「啓吾っ!!早くっ!」
怜はロープをちぎり、啓吾の手を引き倉庫の奥の出口に向かって走っていく。