いじめ、自殺。

ルラシュシュ  2007-04-29投稿
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ある日、小さな世界が変わった。

「歩美、三組の麻田転校らしーよ」
和実が歩美の席に寄ってくる。

「ほんと?遂にかぁ」

他人事だった。
いつだって私は傍観者だったから。

「いじめくらいで転校かよ」

和実は鼻で笑った。
私もつられて笑う。

「観賞物なくなったよね」和実は詰まらなそうに言った。
「毎日あれみてストレス解消してたんだけどねぇ」
「和実ってば」

冗談を言ってじゃれあう。ただ普通の女子高生だった。

だけど私は気付くのが遅かった。
麻田さんはきっと辛くて、転校したんだって事に。

逃げる方法がそれしかなかったんだって事に。

私は…



「歩美っトイレ行かない?」
ある日の昼休み、和実がいつものように言った。
私達の間ではトイレに一緒に行くのはあたりまえだった。

なんでだろう…

怖いから?

一人になることが心細いから…

「行く!」
私は和実の後ろについて歩く。

トイレに着くと二人組の女子がいた。

英里と明日香。

うちのクラスではボス的存在の二人は化粧直しの最中だった。

「和実ぃ〜チーク持ってない?」
英里が和実にすがる。
「もち!」
和実は笑顔で化粧ポーチを取り出してチークを英里に渡した。

「まじ助かるっ和実大好きぃ」
「照れるわぁ」
「和実ってば」

わいわい仲良さそうに話す三人…

「わ、私さきに行ってる」
その瞬間、空気が冷たくなった気がした。

でもすぐに英里たちは笑顔で、
「オッケー」って言ってくれた。

私は安心した。

何がそんなに怖かったんだろう…

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