「なぁなぁ、今日さぁ…」
木之本君も周りの人と楽しそうにしゃべってる。
あたしがそちらを見すぎたせいか、木之本君と目があった。2回目だ。
「……………」
「………………そっ、そんでさぁ…」
あっ…目、あわてて反らした…
やっぱり昨日の“選んでくれな”って友達としてってことだよね…
もう、やめやめ!木之本君はただのクラスメート!
あたし、勝手に意識しすぎだよ!
それからといえば、あたしは今までと同じように木之本君をそんなに見ないようにした。
あっちもあたしをあんまり見ない。
幾日か過ぎてまた放課後になった。
今日は忘れ物なんかないけど…教室に木之本君が残ってるかどうか、ふと、気になった
たまたま教室を横切った的に通すがりにちらっと見てみよう
好きとかそんなんじゃない
だけどなんか、ふと思ってからすごい気になって…心臓の鼓動が通常の速さで動いてくんないし…
そーっと教室を覗く。
いた!今日木之本君いた。
だめだ!見たらもっと通常の速さで動いてくれなくなった…
あたし…バカだ…
そんなことを思ってると木之本君があたしに気付いた。
「島田?」