君に出逢うまでの俺は生きる気力さえない、もぬけの殻だった…
自分の殻に閉じこもり、まわりをまったく見ようともせず、ただただ意味のない毎日を過ごしているだけの日々だった…
リストカット…
睡眠薬…
死ぬ気もないくせに、ただ何気なくやっていた…
あの日、そう、またリストカットをして母親に病院に連れていかれたあの日、君に出逢った…
今までは、死人のような目をした俺に話しかけてくるものなど誰もいなかった…
でも、君は、あの屈託のない笑顔で語りかけてきてくれた…
そんなことに慣れていない俺は当然のごとく無視をした…
でも、君はそんなことは気にもせず、話し続けていたね…
もう長いこと君がここに入院していること…
大好きななお姉さんが一人いること…
君はたくさんのことを俺に話してくれたね…
そんな君に、俺はとても癒された感じがしたよ…
次の日逢いに行った俺を、君は満面の笑顔で迎えてくれたね…
その時に俺は君に恋をしたんだと思う…
毎日逢いに行く日が続き、もっともっと君を好きになっていった…
その時にはもう、俺は昔の俺じゃなかった…
自分の殻を突き破り、生きる喜びでいっぱいだった…
高熱をだして二、三日行けず、久しぶりに病室に行ったら君はいなかったね…
部屋を移ったのかと思い、看護士さんに聞いてみたら昨日お亡くなりになりましたって言われたんだよ…
目の前が真っ白になった…
俺の中のすべてが壊れた気がした…
死のうと思った…
でも、今俺は生きている…
もし、あの、君からの手紙がなかったら今頃俺は死んでいただろう…
ありがとう…
俺と出逢ってくれてありがとう…
俺に生きる力を与えてくれてありがとう…
そして、胸いっぱいの愛をありがとう…
今は遠い彼方へいる君へ…
P.S
『誰よりもあなたを愛してる… だからあなたは生きて!』