月の沈まない夜を・・・ 第四話〔記憶の片隅 前編〕

クールクロック  2007-05-01投稿
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最近、ここ近辺で
変質者が出ている。
今月だけで四件だ。
変質者・・・か・・・、
僕も小学生の頃に
ナイフで切りつかれた事
がある。何とか避けて、
すぐに逃げたため、
大事にはならなかった。
ただ、僕は全く恐怖感を
感じなかったのだ。
「変質者ね〜。
怖いよね、ハァー。」
麻由がため息をつく。
「瑠瓦・・・まさか、
あんたじゃないよね。
被害者は
全員女性だとか。」
瑠瓦が大笑いする。
「ハーハッハッハ、
俺様が?俺様は犯罪行為
は絶対にしないよ。
モラルはわきまえてる。」誇らしげに言われても。
何か説得力がない。
普段の行動からすれば、
疑われても仕方ない。
「とりあえずは、
夜遅くに出歩かなければ
とは思うがな。」
まあ、これ以外に
言える事はない。
・・・
・・・
・・・
「本日の重役会議は
これで終わりです。
皆さん、お疲れ様。」
軽く一礼をして、
帰る準備を始める。
今日の会議は変質者に
ついてだ。
だが、これと言った
有効な対策はないのが
現状だ。会議時間も
長くなり、8時になって
しまった。
辺りは暗く、視界が
悪すぎる。男子である
僕には関係のない話だ。
点滅する街灯、
何かと不気味ではある。
自分の足音がよく
聞こえる静けさ。
「黙れ、この女!
殺されたいのか!」
何処からと声が
聞こえてくる。
嫌な予感が背筋を
走り抜ける。
その声の方向に
向かって走りだす。
道の行き止まり
にたどり着いた。
そこにはナイフを持ち、
女を押し倒し、脅して
いる男が一人、
何が起きてるかは
明白だ。
考える前に身体が
動いていた。
反射的に、考えもなく。



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