裸のまま、哲也の腕まくらで、奈緒は少し眠っていた。
目を覚ますと、哲也の顔が間近にあり、微笑んでいる。
「…ごめん。寝てた…」
「ん。寝顔みてた。」
「悪趣味…」
奈緒はベッドから降り服を着始める。
後ろから、肩を抱かれる。
「まだ、足りないよ。」
「親、帰って来るよ。哲も服着な。」
「ちぇっ…」
渋々、哲也も服を着る。
「んじゃあ、送るよ。」
「平気だよ。すぐそこだもん。」
「いーの。こんな夜更けに年頃の娘を1人で帰すわけにいかないの。」
「んじゃあ、車で送って☆」
「いいよ〜。」
車でセックスする事もよくある。
しかし、今日はそういう流れではない様子だった。
「ほい。」
紙の小さな手提げを哲が奈緒に差し出した。
「?…な〜に?」
「昨日、誕生日だろ。」
「あ゛〜!忘れてた〜!!…開けていい?」
「おぅ。」
包みを開けると……
「ちょっ……」
「気に入った?」
「いらない!!」
「何でぇ…俺、一生懸命選んだのに…」
「変態!!」
「そうだ!変態だ。ふん。」
派手〜な黒のレースのキャミソールと下着…
「よく、お店入れたね…」
私の好きなブランド……
そういえば、よく見てた…
「かなり恥ずかしかったけど…結構、男もいたから、開き直ってみた。」
「…バカ…」
「今度、それ脱がせたいな。」
哲也は奈緒の顔を覗き込む。
「…今度…ね。」
奈緒は目を閉じ、哲也のキスを待つ。
優しく唇が触れる。
「遅くなったけど、19歳おめでと。奈緒。」
「ありがと。哲。」
「てか、哲の誕生日はいつなの?」
「5月2日。」
「もう、過ぎてるじゃん!!何のお祝いもしてない…」
「そんな事ないよ?その日いっぱい、セックスしたし☆」
「…ほんと?」
「うん。何よりのプレゼントだった。」
「…バカ。」
哲にとっては、体だけの関係なんだと思う。
でも、私は…