よかった。いつもの桜だ。一週間の間、会いに来なかったことを怒ってはいない――
それは希望的観測だったのかもしれない。桜は僕の思いを汲み取って、そして投げ捨てるかのように強くかぶりを振った。
「桜? ごめんよ、ずっと放っておいたのは、君が嫌いになったからじゃないんだ」
言い訳なんかに聞こえないように、僕は必死の思いで説明した。一週間に起きたこと、全て。遠くから来た親戚の態度がひどかったことも。学校の友達とかくれんぼをして、日が暮れるまで見つからなかったことも。桜に会いたくて会いたくて仕方なかったことも。本当に全て、包み隠さず話した。
「本当に、本当にごめんよ。君のことが大好きだし、ずっと君と話したかったんだ……信じてくれないかい?」
恐る恐る顔を上げてみると、桜はまた優しく微笑んでいた。僕の全てを洗い流してくれるかのように、優しく微笑んでいた。
「桜! 許してくれるんだね! ありがとう、ありがとう!」
僕は、もしかしたら泣いていたかもしれない。