この胸いっぱい愛があるかぎり

大塚楓  2006-02-15投稿
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「今・・なんて言ったの?」
貴浩の言葉に麻衣が一言
「もう、逢わないで。病院にも来ないで」
冷たく貴浩に言った。
「なんで?麻衣に嫌な想いをした?」
同様しながら、貴浩が言った。

違うよ・・そんなのじゃないよ。
「重いの。いるだけで迷惑なの」
麻衣の言葉に、傷つく貴浩の顔を見たがさらに一言
「だから、もう来ないで。ウザイの」

本当は・・そばにいて欲しいよ。ずっと、そばにいて。。
貴浩が何か言葉を言おうとしたが、飲み込み
「分かった・・」
そう言うと、麻衣のそばから離れた。
「たか−・・」

去って行く貴浩の後ろ姿を見て、止めようとしたが
声を掛けず、去って行く貴浩の言葉をずっと見つめていた。
「ごめんね」
小さな声で言うと、涙を流してしまった。

その涙は止められず、涙で周りが見えなくなっていた。
”これでいい”
と何度も自分に言い聞かせたが、涙は止まらず泣き崩れていた。
「貴浩・・」

愛しい人の名前を呼んだが、麻衣の前にはいなくて静まり返った
廊下だけが、麻衣の目の前にあった。
大好きなうちに別れようと心に決めたが−・・今の麻衣には
悲しみだけが残っていた。

終わりへのカウントダウンが一歩ずつ近づいて来たと
麻衣は、思ってしまった。
もし・・貴浩に伝わるのならたった一言
”大好きだよ”



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