(続)年下の彼〜約束の時〜

カトリ  2007-05-02投稿
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☆年下の彼1〜18を先に読んでね☆


10月
最後の日曜日。

優希は正希と共に、競技場の観客席にいた。

高校サッカー選手権大会の予選、3回戦。


航はスタメンで出場していた。

後半残り5分。両チームとも引かずに0‐0。


「この試合で負けたら、来年の春まで、お預けだな。」

正希は、優希をからかう。


優希は睨み付けながら、


「それでも、平気だけどね〜。」


優希と航の間には確かに変わらず存在するお互いの強い気持ちがあった。


「あっ!」


正希の声に反応して、優希はグラウンドをみる。


航がゴール前でパスを受け取った。

「いけっ!航!」

正希は興奮して立ち上がる。

優希はただ、航を見つめ、祈っていた。


3人の守りをドリブル突破し、きれいな弧を描くシュート。


時が止まった。


客席が一瞬静まり返り、ホイッスルの音と同時に歓声が湧き上がった。

「すっげぇ。航。…優??おいっ。ゆーーう?」


言葉が出なかった。

変わりに涙が一気に溢れる。



どの位時間が経ったのだろう。
客席はすでに人も疎らだった。


「ほら。優、航そろそろ、解散になるんでない?」


優希は、我にかえった。

「うん。待っててもいいと思う?」

「喜ぶよ。きっと。俺は帰るな。」

正希は、優希の頭を、ポン、とたたき、ゲートへ向かった。



競技場を出ると、航はすぐに優希を見つけた。


先輩たちに冷やかされながらも、優希に駆け寄る。


「待ち伏せしちゃった。」


優希は微笑んだ。

「長い間、待たせてごめん。」


航は会う度に、背が伸びてる。


「ううん。」


体もがっちりして。


「改めて、言わせて。」


男らしくなった。

「俺と付き合ってください。」


私の愛しい人。


「はい。」


航は、優希を抱き寄せ、きつく抱き締めた。


「絶対、幸せにする。」


航は、そっと優希に顔を近付ける。

「うん。一緒に幸せになろうね。」

二人は何度も何度もキスをした。




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