FirstLove(12)

nao  2007-05-02投稿
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知春が 自分の 存在を 知って くれるはず、 そう信じて ナオは 全身 ずぶ濡れに なりながらも 知春が 電話ボックスから 出て 来るのを 待っていた、 大好きな 知春の 後ろ姿を ただ ジッと 静かに 見つめながら …

そして 20分 ぐらい 待ったで あろうか? 緊張の 面持ちの ナオに とうとう その時が 訪れた、 会話を 終えた 知春が 受話器を 置いたのだ、 ナオは そっと 心の中で ここしかない! と 何度も 何度も 自分に 言い聞かせ 自分の 気持ちを 高ぶらせ 一つ 深呼吸をし 頷く。
一歩 一歩 大事を 踏み締めるように 知春の もとへと 足を 進める ナオ、 距離に して ほんの 50メートル 程度の 知春との 距離が 今の ナオには 近いようで 果てしなく 遠い、足は 震え 鼓動は はちきれそうに ドキドキが 止まらないで いる 様子だ、 喉が乾き 何度も 何度も 唾を飲み込む
あと20メートル… あと15メートル…
着々と 2人の 距離は 確実に 近づいていたが、 しかし 知春が 電話ボックスを 出て 来たのを 確認したと 同時に 今まで 緊張しながらも 順調に進んでいた ナオの 足が 急に動きを 止め それ以上 前に進む事が 出来なくなってしまった…

降りしきる 雨の中 静かに ナオの瞳に 映ったのは、大きな 瞳から 涙を流す 知春の姿だったのだ、 予想外の 展開に その場に 立ち尽くし 何も出来ない ナオ

( どうして 泣いてるの? 知りたい… 、俺なら知春さんを 絶対に 悲しませたり しないのに、そう伝えたいのに…)

無力な ナオは 知春の 為に 何もして やれない 悔しさや もどかしさで 拳を 強く 握る事しか 出来ないでいる、 そして 涙に 濡れる 知春が 肩を 落とし 帰る 後ろ姿を ただただ その場に 立ち尽くし 見守る 事しか 出来なかったの だった…

そして ナオは ずぶ濡れの まま 自転車を 押して 家へと 足を 進めた、 その 足取りは 重く 雨に 足元を 取られた 訳でも なく、 緊張が 溶けたのと 同時に 足の 力が 一気に 抜けた ような そんな 感じに 見える


家に 着いた ナオの 頭から 足まで ずぶ濡れに なっている 姿に 築いた 父親が
「ナオ! ずぶ濡れ やんか、 ほら タオル!」 心配しながら 父親は ナオの 頭に タオルを



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