気付いたら制限時間は過ぎていて、俺達は急いで裏の落書きスペースへと移動した。
慌てて中に入るユカリに続く。
「あっ!」
「なに?」
「リョウは外で待ってて!」
「は?なんで??」
「いいから!」
意味わかんね〜。
ま、落書きなんてどうせする気なかったからいぃんだけど。
でも選んだりとか、落書きしてるとこ見たりとかさぁ……
そう考えながらも俺はプリクラ機の隣に座り込んだ。
今日のユカリには言っても無駄だろぅから。
ピアス………どうしたんだろ。
ってか、ただ外してそのまま忘れて来ただけかもしれない。
落としちゃって見つからないとか。
1週間前にあんなラブラブ〜って感じだったんだし……
あのピアスがないからって、あの男と別れたとか全然決まってなぃじゃん。
なに期待してんだろ俺………
つーか期待ってなんだよ。
ユカリが彼氏と別れてたらどぅだってんだ?
もし、別れてたら………
「お待たせ!」
突然の声に思考を中断する。
「あ、もう出てきた!このプリクラ機早い〜。」
俺の隣にある取り出し口からプリクラを引き抜くユカリ。
「見して。」
「待って。」