ユカリが素早く奥のテーブルに移動する。
俺も向かいのイスに座ると、ハサミで切り取ったプリクラを差し出された。
「笑顔が一つも無かったよ。」
あったら気持ちわりぃし。
そう毒づきながら、プリクラを見やる。
結構大きな分割にしたんだな。
想像よりはるかに綺麗で見やすい。
1枚目は仏頂面の俺と笑顔のユカリ。
2枚目は言い合っている二人の横顔。
3枚目は無理矢理のアップ。
「どんなチョイスだよ……。」
呟きながら4枚目を見て、思わず口に手をやる。
俺、なんて顔してんだよ―――\r
4枚目は、髪をかきあげてるユカリと…………ユカリを見つめる俺の横顔……。
俺、いつもこんな顔してんの?
なんかよくわかんないけど
すげぇ
恥ずかしい顔……
「リョウ?どうしたの?」
きょとんと見つめてくるユカリから視線を外す。
マジで俺いつもこんな顔してんの?
やべぇ。
今も?
「あ〜〜〜っつーかさ、6枚選べるんじゃねぇの?4枚だけ?」
「なんで知ってるの?」
「あ?だって……。」
ただ話逸らそうとしただけだったんだけど、ユカリは予想外に反応した。