ポカンとプリクラ機を指さすと、ユカリもゆっくり見やる。
『6枚選べるよ』
「あ……あぁ、あはは。」
「なんだよ。あとの2枚は?」
ユカリの手元を覗き込むと、すごい勢いで隠された。
なんだ?
「なに?なんだよ、見せろって。」
「だめ!ダメダメ!!見せない!」
プリクラを胸に抱いたまま急に歩き出すユカリ。
超気になるしっ!!
「ちょっ!待てって!!」
慌てて追いかけて捕まえる。
無理矢理とろうとするけど、ユカリも必死だ。
「あ〜〜ちょっと待って!わかったから!!」
俺の腕の中でもがく華奢な体。
壊れそう……。
思わず力をゆるめた拍子に、ユカリが抜け出した。
「わかったわよ。じゃあ、こうしよ?」
言いながら、プリクラ2枚を突然後ろの壁に貼り付ける。
「あっ!なにしてんだよっ!!」
慌てて止めようとして気づいた。
その壁にはたくさんプリクラが貼られてるんだ。
自由に貼っていいスペースみたいな?
すげぇ、こんなんあんだ。
なんのためにみんな貼ってんだ?
自己顕示欲がつえぇんだな。
って、そんなことどうでもいいか。
両手を壁につけて貼ったプリクラを隠しているユカリに目をやる。