「レ……ン……。」
きびすを返し女の子の腰に手を当てるレン。
その背中に、私の声は届かない。
あぁ
終わった
ガシャ
震える手から携帯が落ちて、開いたディスプレイから見える笑顔の二人。
恋愛ごっこは楽しかった?
ねぇ
私は本気だったよ。
グイッ
後ろから強い腕に引っ張られた。
カズヤだ。
きっとすごい怒ってる……
携帯を拾い、下を向いたままの私の腕を引いて歩き出すカズヤ。
二人とも黙ったまま、夜の街を足早に歩いていく。
レンとは反対方向へ―――