四人を乗せたフォーエバー・アイランド号が村を出て一週間、船は嵐の中を進んでいた。
「トージィ!やべぇぞ!これ!」
テムは甲板に四つん這いでしがみつきながら叫んだ。
「わかってる!だがこの嵐を抜ければ…」
トージは、豪雨を防ぐため片手で顔を覆いながら遙か遠くを見つめた。
数時間後…
船はなんとか嵐を抜けた。大きな損害もなく、四人はほっとため息を吐き、力無く甲板に座り込んだ。
「あーそういえば…」
村長の孫、シュシュが口を開いた。
「じいちゃんが言ってたけど、この辺の海で起きる嵐はみんな“海神”の仕業だって。」
「海神?」
三人が口をそろえて言った。
「海神て…」
「そう。海の神“マキュラス”…」
三人の顔が凍り付いた…マキュラスと言えば、漁師達に恐れられている海の暴君の事である。
「まま…まさか…マキュラスなんかいるわけ無わいよ…あんなの…伝説よ…伝説…ねぇ?」
花屋のナルチェがひきつった表情でトージの方を見た。
「いや…そうでもないみたいだ…」
トージの目は、船の前方の海面に浮かぶ巨大な影に釘付けとなっていた…