俺の名は星達也!
ちょっと芸能人っぽい名前を我ながら気に入っている。
俺はちょうど5年前の今日、6月7日に交通事故に遭い死んだ。
だから、もし生きていたら今20歳になってるんだな。
野郎たちと酒も飲めないまま逝っちまうなんて情けねぇ。
‥おっと、こんなことでうじうじしてたら笑われちまうか、あいつに。
俺が死んだとき、たくさんの人が泣いてくれて、たくさんの人が花やら手紙やらを持ってきてくれた。
今でもたくさんの人がお参りに来てくれたり、懐かしんで話していたり。あいつなんか未だに毎晩泣いてる。
俺だって、死んでから最初の一年はなかなか信じられなかった。信じたくもなかった。だから、ただの長い悪夢だって本気で思い込んでた。
だけどいい加減目が覚めて今に至る。
今は幽霊なりに楽しんでいるつもりだ。
そりゃ、仲間と酒飲んだり、家族と旅行行ったり、あいつと一緒に笑っていたいけど、幽霊にはどうやら特別な力が与えられるみたいで、現実にある程度可能なことなら実現出来るんだ。
そして俺はずっとあいつをいじめている。
【続】