とうとう7月に入った。
俺は、どうしても美月に'好き'と伝えて上りたかった。
どうしても言えなかった、たった2文字の言葉を。
俺は何回か、どうしても好きと言いたくて、
「美月‥す‥すき‥すき焼き食おうぜ!」
とか、
「すき‥隙ありっ」
とか、
「美月!あの‥俺‥美月のことが‥す‥いやぁスキマスイッチ!あれ良いよなぁ!」とかで、散々失敗してきた。
美月がその度に悲しそうに笑って、気付かないフリをしていたのを思うと胸が痛い。
情けねぇ‥。
深いため息をついた。
明日は7月7日。
きっとこのまま、美月を抱きしめられなくなったら、美月はいずれ俺のことを忘れるだろう。いや、それで良いんだ。それで少しでも美月が楽になるのなら‥。
それは本音だった。
もうこれ以上、美月の涙を見たくない。