あたしの名前は桃。
麻一桃でアサイチモモってゆう名前。
あたしの好きな食べ物→蜜柑。
あたしの嫌いな食べ物………………………………………………………………桃。
あたしはこの名前が大ッッ嫌い!!
正直つけてくれたおばあちゃんをうらんだ。
でももうとっくに死んじゃってるから……文句は言えないんだ。
「桃」
?
「誰?」
「俺(笑)」
ん?
桃は、瞬間眉と眉の間にしわを寄せ、しばし考える……が、答えはすぐに見つかった。
「あぁ、圭介?」
「開けてくれる?」
中学生の女の子にしてはめずらしい引き戸に耳を近づけ、桃の同級生とは思えないほど背の高い男が言う。
「いいよ、入って。開いてるから。」
「そうか」
圭介は少し表情を緩めると、ゆっくり戸を開けた。
真っ暗な部屋。
圭介は電気のスイッチを入れ、
桃の隣に置いてあった星型のクッションにどかっと落ちる。
「………………」
「………………?」
「…………何かしゃべってよ」
「………おばさんの言ってた事、あんま気にすんなよ。」
「いいよ別に。」
「………」
「なぐさめてくんなくても!!」