時間が余っていた。
暇…。暇…。もっとも、やる事というか、やらなければならない事は…このクソ汚い男の一人暮らしの部屋では探せばたくさんあると思うが…。
30も近くになると外に出てナンパや、家で人気のゲームなんて類の遊びにも興味無くなる。
朝からエスを炙り吸い、ただ時間を持て余して15時間近く経過していた。今はちょうど耳障りにならない程度にNASのファーストが聞こえて来る。
もちろん部屋には俺しかいないのだが…ソファーにどっぷり座り込み かっこつけて両手をひろげてみた。さすがにエスの効きめは抜けぎめでダルい…。しかし、かといって眠りにつけるような状態ではない。
まぁエスの愛好家としては…よくある事だ。
この中途半端なダルさにもう一度エスを入れて…なんて奴もいるけど、その行為の行く末は見えてる。まぁ5年前ならやっていたかもしれないが。
明日では無く…日付けが変わって今日は、夜に派遣のアルバイトが入っている まだ寝る事に焦る必要も無い。
ソファーに座ったまま想像の中で、いつものごとく人生や世の中を斬っていく。CDはDS455のファーストに勝手に変わっていた…。
人生や世の中を考えるとくだらない言い訳になるパターンやストイックに問詰めて自己嫌悪になるパターンしか無いのだが〜それなりに 不思議な発見もしたりする。
しかし無残にもシラフに戻った時 凄い発見や不思議な発見の内容をまったく覚えてなかったりする…。何かに閃いた感覚のみ体に残っていて気持ち悪い。
書き留めよう…そう思った…しかしペンを探すのもだるい…
またチェンジャーのCDが変わった…ビヨンセの歌声がかすかに耳に残りながら記憶が途切れた。
これが28歳の逮捕される前日の俺の出来事だった。