雑務部1

 2007-05-05投稿
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この大学を取り仕切る部としてマナー部があり、その部長として、私、岡野 正(オカノ タダシ)がいるわけだが、やはりここ最近の校内の雰囲気を乱しているのは、あの男・・・

「部長、また愚痴日記ですか」
潜め声でよく通る女声が正の日記執筆を止めた。

「ひ、人の日記を盗み見るのはマナー部としてどうかと思うぞ」

「すみません、ただ今は講義中なので日記を書くのはどうかと。マナー部部長として」

正はこの女性が苦手だった。
マナー部副部長、柳 凛(ヤナギ リン)だ。

講義が終わり、凛は先ほどの日記の内容を正に尋ねた。

「山ノ井 幸四郎(ヤマノイ コウシロウ)ですか」

「え?ああ、校内の雰囲気を乱しているのは間違いなく奴だ」
「もういい加減にしたらどうですか、ほのかさん目当てでしょう?」

宮岸 ほのか(ミヤギシ ホノカ)は幸四郎とよく一緒にいる、見かけは普通の女性だった。
しかし、大学入学当初から正はほのかに好意を寄せていた。

「それを奴が邪魔して・・・いや、それも無くはないが、違う。奴がしている“商売”に関してだ」

幸四郎もまた部長だった。
雑務部の。

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