Under World 1

 2007-05-05投稿
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ゴゥンゴゥン――
ジメジメとした生暖かい嫌な風が、錆びた鉄や鼻を刺すカビの臭いを運んでくる。

異臭おびた嫌な空気を纏って、古びたレールの上を無人の電車が駆けて来た。

「イコ、準備は良いか?
あいつに乗れば引き返すことは出来ない」

歳は20前後、短く切られ整えられた黒髪を掻き揚げて、彼は言った。

「大丈夫……俺たちなら確実にやれる……」
もう一人の少年は自分に言い聞かせるようにそう答えた。

けたたましい音を上げて、電車が二人の立つホームで停止する。
 電車内には照明などは無く、まるで闇の中に溶け込むように二人の青年は乗り込む。
――両手に銃を、心に決意を宿して。



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