「悠くーん!!授業終わったよー!!」
思わず大声を出してしまった。
「奈緒ー声がでかいよお、まだ授業やってんだからー」
「いいじゃん、ちょっとくらい!(笑)」
「ったくー(笑)」
ごく普通の会話。
それが奈緒にとっての生きる希望であった。
二人はとても仲良しで、映画を見に行ったり、遊園地に行ったり、朝まで一緒の日もあった。
「ずっと一緒にいてね?」
「おう!」
奈緒の心は完全にあの時とは違っていた。
―私にも希望がある!!―\r
しかし、そんな幸せな時間も長くは続かなかった
「今日は2時に公園前か♪」
奈緒はいつものように30分前に公園に来ていた。
あと20分…
あと15分…
その時、かすかに彼の声がした。
悠くんだ!!
後ろを振り返ると、5メートルほど先に彼がいた。
奈緒は自然と笑顔になった。
悠くんが来る。
あと1メートルの所で、彼が倒れた。
奈緒には何が起こったのかわからない。
血が流れている。
「ゆ…悠くん…悠くん!!」
奈緒は慌てて意味がわからないまま救急車を呼んだ。
周りを見渡すと、奈緒をイジメてくる恵里と香織の姿があった。
奈緒は特に気にもとめず、悠くんが乗った救急車に乗り込んだ。