着いたのは公園のベンチ。
カズヤは私を座らせてから缶ジュースを買ってきた。
差し出された缶はあったかくて、私の凍った心と表情を溶かしていく。
「ぇへ…終わっちゃった……。」
どこまでも素直じゃない私。
涙じゃなくて笑いが零れる。
「恥ずかしいとこ見せちゃった…ね。」
カズヤは何も言わない。
ただ私の言葉を黙って聞いてくれる。
「恋愛ごっこだって。ぁは…ほんと笑える。」
「笑えねぇよ。」
カズヤのかすれた声。
「なんで言わねーんだよ。」
「何を?」
「お前の気持ちだよ。」
「もぅいぃよ…」
「よくねぇだろっ!」
珍しいカズヤの怒鳴り声に、私は思わず顔を上げた。
真っ直ぐ見つめる瞳は怒っていない。
でも真剣に私のことを思ってくれてるのがわかる。
「その程度だったのかよ?」
「ぇ…?」
「あいつのこと。遊びだった?」
「ちがっ…!」
「有名なやつと付き合えてラッキーみたぃな?」
「そんなんじゃないっっ!」
違うよ。
ほんとに好きだった。
どんな話を聞いても
どんな態度されても
全部受け止めてしまぅくらい
全部許してしまうくらぃ
「…大好きだった。」