夕陽に染まる街並みを二人で歩く。
それは普通な様で、初めてなこと。
「あ、見て!可愛い犬〜。」
「ほら、あの店雑誌に載ってた!」
「空すごぃ綺麗だね〜。」
小さいことにいちいち反応するユカリ。
見上げてくる笑顔はすごく幼くて、夕陽に照らされた横顔はやけに大人びている。
見てて飽きねぇやつ……
「あ、あの店見たい!」
グイッと手を引っ張られ入ったのは、目がチカチカするようなアクセ屋。
まじ勘弁して……
出ようとする俺の手を離さないユカリ。
振り払えば良い話なんだけど―――\r
ま、いいか。
嘆息する俺の横で、ユカリは鼻歌混じりにショッピングを開始した。
2時間後――
何件店をまわったのか……やっとユカリが満足した時には、もう外は真っ暗だった。
「腹減った〜。」
「そうね。リョウ何食べたい?」
「ハンバーグ。」
即答したらユカリが吹き出した。
「……なんだよ。」
「別に〜。可愛いなと思って。」
ユカリが微笑みながら手を引く。
進むは歩き慣れたいつもの道。
「どこ行く気?」
「リョウん家。近くにスーパーあったよね?」
それって……
「お前が作るの?」
振り向いたユカリが満面の笑みで頷く。