relations 40

るぅ  2007-05-06投稿
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フワッと寄りかかってくるユカリ。

俺の腕に頭をつけて小さく囁く。

「あったかぃ。」


やべぇ。
慣れないことするんじゃなかった。

どぅ反応したらいいかわからなくて――

とりあえず握っている手に力を込めた。

満月を見ながら歩く帰り道。

街灯の下を通れば寄り添う影が映る。

肌を通して伝わる温もりと、

鼓膜を打つ柔らかな歌声。



あ、これ―――今日観た映画のエンディング曲だ。

映画のシーンと共に頭に浮かんだのは………ユカリの泣き顔。

無意識でユカリの顔を覗き込んだ。

俺に寄っ掛かって目を閉じたその顔は、穏やかな笑みを浮かべていて―――\r

良かった…

思わず息をつくと、ユカリが目を開けた。

「ん?」

まばたきをして首を傾げる。


なんでもねぇよ。


その一言が出てこなくて――




唇を重ねた。


頬を撫でる冷たい夜風。

触れ合っているのは唇と手のひらだけなのに



なんでこんな




あったかぃんだろ。




歩き慣れたいつもの道が、まったく違う世界に見えた。



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