「タダシーは学校のためにいろいろやってくれてる。だけどこの事件が公表されれば、マナー部は評判が悪くなって学校には存在できなくなる。それだけは避けて欲しい。って」
「何でそんなことを」
「友達の部活が無くなるのが嫌なんですよ。きっと」
ほのかが言い終えると、電話の向こうは沈黙した。
ほのかは幸四郎と正の友情をひしひしと感じ、寝ている幸四郎の額をつついた。
「礼を・・・言っておいて下さい」
言い終えた途端、電話が切れた。
「やったね。山ノ井幸四郎」
また額をつつくと幸四郎が少し動いた。
その寝顔は満足そうに微笑んでいるように見えた。