シェイルは龍雅に対して社員となり、『革命教団』の案件を処理するよう依頼した。
好条件な仕事にも関わらず、シェイルの会社を信用出来ない龍雅は依頼を拒否した。
シェイルは溜め息をついた。
シェイル「やっぱり私達の会社がどんな所かわかってもらう必要があるのね」
龍雅は軽く頷いた。
龍雅「そうだ、これが通常の任務としての扱いならば俺は何の疑問も持たないだろう。所がこれがビジネスになりうることを考えると…それについてはシェイルの方がよく知っているはずだ」
龍雅は表情を変える事なくシェイルを見つめた。
シェイルは目を反らした。
シェイル「あ〜ぁ、その大人を馬鹿にする目は相変わらず変わらないねぇ…。じゃあ、私の会社の概要を説明するよ。ついて来て」
龍雅はシェイルに連れられて応接室を出た。
龍雅「どこへ行くつもりだ?」
シェイル「フフ…ついて来ればわかるさ…」
龍雅は怪訝な表情でシェイルの後ろ姿をおった。
全面黒大理石の廊下をしばらく歩いていくと突然シェイルは足を止めた。
龍雅「どうした?」
シェイル「ここだよ…」
シェイルは右側の壁に手を触れると機械音が響き、そこにはなかったはずの扉が現れた。
龍雅「!?」
扉は自動的に開いた。
シェイルは率先してその部屋に入り、龍雅もそれに続いた。
龍雅はそこに広がる光景に驚愕した。
龍雅「こ…これは…」
暗く、広い空間の奥には巨大なモニター。
そして多数のオペレーターが各々のコンソールに向かっている。
モニターには世界地図が写し出されている。
龍雅「これは…軍本部の指令室を模しているようにも…」
「その通りだよ。峰崎龍雅中佐」
暗闇の奥から典型的な中年の男が現れた。
龍雅はその男を見た瞬間、目を見開いた。
龍雅「あなたは!!加原少将!お久しぶりです…」
シェイルは龍雅の様子を見て口を開いた。
シェイル「加原少将殿には軍を退役なされた後、我社の傭兵部門の統括を引き受けて頂いているのさ」
加原は龍雅に一言だけ問い掛けた。
加原「どうだ…もうあの戦いから受けた傷は癒えたのか?」
龍雅にはその問い掛けの意味を理解することは容易だった。