君は何も言わず少し悲しげな瞳で微笑み、僕に小さな紙切れを渡した
僕は紙切れに気をとられていた、
辺りを見渡すともう君の姿はどこにもなかった…
僕は君を抱き締める事が出来なかった
けれど君とキスをした
そして君から渡された小さな紙切れ
そこには「紫苑」と書いてあった
君の名前…?
僕は、それから「紫苑」という名前の人物を捜し、その名前に関係するものを調べた
そして心の中で「紫苑」と何度も呟いた…
そんなある日、僕は仕事の帰りに連れと呑みに行った
帰り、少し酔ったのか
見知らぬ商店街を一人で歩いていた
もう時間が遅いせいか、どの店も閉まっていて静だ
すると商店街の中に一つ明かりがついている小さな店があった
僕は看板を見てその場に固まった…
「紫苑」
まさかと思いながら
僕はその店に入った…