家に着くと、ユカリはすぐにキッチンへ向かった。
ほとんど空っぽの冷蔵庫や戸棚を調べて使えるものを集めていく。
やることなくてボーっと眺めていたら、タオルを投げられた。
「シャワーでも浴びてきたら?」
「……ぁい。」
作ってるとこ見たかったんだけど……
後ろからじっと見てたら気持ち悪いだろぅし、言われた通りシャワーを浴びる事にした。
服を脱いでいたら、扉の向こうから聞こえるあの歌。
よっぽど気に入ったんだな。
でもその歌も今日初めて聴いただけだから、同じとこばっか歌ってる。
しかもわかんなくなって、オリジナルで毎回ちょっとづつ変わってる。
「かわいぃ……。」
自分の口から出た言葉に驚いて、俺は慌ててシャワーを出した。
熱いくらいのシャワーを浴びると、体中があったまっていく。
出たらハンバーグとユカリが待ってると思えば、心まであったかくなっていく。
なんてくだらないこと考える自分に苦笑。
あ〜〜〜もう!!
なんかあったけぇとバカな事ばっか考えるわ…。
早く出よっっ!!!
大急ぎで洗って浴室から出たら、ユカリが驚いて振り返った。
「早っ……って服は!?」
「着るよ。」
「着てから出てきなさぃよ!」