「…何のために?」
黒髪の女が、さっきよりも少しうわずった声で訊ねた。
「理由か?…個人的な娯楽だ…ふふ。金は払っているんだ…文句はないな?」
確かに今までの報酬は全て、司令部を通してこの男から払われている。
「司令部はこの事を知ってるのか?」
金髪の男がスクリーンを睨み付けた。
「あぁもちろん…快く承諾してくれたよ。」
結局、十人の殺し屋達は、誰一人抵抗する事なく、“殺し合い”の施行を受け入れた。抵抗すれば殺される。誰もがそう感じ、ムラサワに殺されるならば、他の九人を殺して生き延びようと考えたのだ…
「では!参加者の自己紹介に移る!一人ずつ、司令部から与えられたコードネームと、意気込みを語ってもらおう!」
意気揚々と司会を進めるムラサワの興奮は最高潮に達していた。
そして、暗殺者達は言われたとおり、一人ずつ自己紹介を始めた。