桃ノ花ビラ~うさぎ~

MOERI  2007-05-08投稿
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圭介は…
このいじけている少女が昔とんでもない事をしたのを知っている…ι










「お母さんのバカッ!!」




「桃ッ!」


桃が向かった先は玄関だった。



……はずなのだが…








バァアキィッ!!!!

















それほど広くない家だった。



だから折れる音がとんでもなくよく響いたのだろう。



何かが折れる音が。




何が起こったのかよく分からなかった母が言う。





「桃ぉー?」




………………






「…桃?ι」





「…………ぃたた……」




母は娘に何かあったら…!と


物音がしたほうへ走る。





………と






まっぷたつになった柱に挟まれて、
茶色のまじった瞳がこっちを見ている。





「お母さぁ〜ん…」






「桃がやったの?」







「………」


桃は黙ってしまった。







「どうなの桃」






「っ…」



顔をそむけた。







「そうなのね…!」






「でもお母さんが悪いんじゃん!!」





それでも母の表情は変わらない










「ねえ!!」




母の眉がピクッと動いた





桃はそれに気付かなかった




…続けた






「謝るとかないの!?」

「あたしはあんたのせいで怪我……」










顔をあげてみると






そこには







これまで見た事がないような






母の悲しそうな顔があった






「何よ?」







「何なのよ!?」









母がまばたきをした瞬間……











涙がこぼれた










「お母さん…?」




何が起こってるのか分からなかった













あたしは









何をした?










あたしは












あたしは……



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