永遠(最後の嘘の続編です)

カトリ  2007-05-08投稿
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☆先に「最後の嘘」を読んでね☆



《由紀、同窓会こないんだって??家忙しい??二次会からは??》


友人の理花からのメールだった。



あれから3年。


由紀は平穏な日々を過ごしていた。

胸に秘めた想いが、由紀を朗らかにしていた。


悟…


元気かな…


悟の好きな洋楽を聴く度、桜並木の下を歩く度、飛行機雲を見つける度。


同じ空の下に悟がいる。

同じ風に吹かれている。


私は、それだけで、生きて行ける。

そして、あなたに想ってもらえていると思うだけで、幸せだと感じる。


だから、現実を目の当たりにするのが怖い。


あれから3年。


あなたの横には違う女性がいるかもしれない。


私の事など忘れてしまっているかもしれない。



だから…



同窓会当日、22時、由紀の携帯が鳴った。


着信 理花


「もしもし?」

『…由紀?』


電話の声は、理花ではなかった。


「…悟…。どしたの?」


『ん〜。理花が由紀呼べって。全然無理そう?』


悟の声、変わっていない…


「…うん…今日は無理かな…」


悟に会うのが、怖い。


『由紀、会いたい。顔だけ見せて。』


悟…


「……」


『由紀?3年分、充電させて?由紀の笑顔みるだけで、俺は幸せだから。…ね?』



「…うん。」


由紀は眠りについた、夫と子供を横目に、家を飛び出した。


悟…



「由紀!」


悟に呼んで欲しかった名前。

そのまなざしで見つめて欲しかった。

微笑んで欲しかった。


触れる事は叶わなくても…


「悟、久しぶり。」


あなたにも、私の笑顔を目に焼き付けて欲しい。


声を覚えておいて欲しい。


だから、絶対に泣かないよ。


とびっきりの笑顔を見せるから。


だから、ずっと、あなたを想っていていい?


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