昼休み。
私と阿部やんは裏庭の木陰の下にいた。
「やっぱな〜。そうやないかと思っとってん!」
苺ポッキーを加え、腕組みした状態で頷く阿部やん
。
「やっぱって、何で阿部やん知ってんの!?」
「んなもん、あの娘見てたらわかるやん」
私が首を傾げると無理矢理苺ポッキーを突っ込んでくる。
「まぁ、私はええで」
そう言って黒いロングヘアーをかきあげた。
「何が?」
「親友(あんた)がレズでも」
「…はい?」
「可愛らしい子やしな」
まぁ、うちの方がええ女やけど、と付け足す辺りが阿部やんらしい(笑)
…て、違う違う!そっちに興味ないし!…って言うか、そもそも私は…
「もう恋はせーへんて決めたてか?」
…うっ、続きをよまれてしまった。
「しょーもな」
グサッ!
…相変わらず毒を吐くなぁ(涙)
ダメージを受けた私はその場にしゃがみ込む。
「いつまでも過去にとらわれとって、何かえー事あるんか?」
……重い沈黙。
何も応えられないでいる私を見て阿部やんはため息をつく。
「自分で、よう考えや〜」
彼女は私の頭をポンポンっと叩き、残った苺ポッキーを膝の上に置き教室へ繋ぐ階段の方へ姿を消した。