一瞬呆然としたがすぐに追いかけた。
ファミマのあたりで追いついて、真奈美の腕をつかんだ。
「待ってよ!愛はどこ行ったの?」
「しっ…知らない」
「じゃあ家で何してた?」
真奈美は顔を上げて、観念したように力を抜いた。
「片づけてた」
「どうゆう意味?」確かに彼女の家は汚いけれど、それにしてもおかしな話だ。
「病気なの。沖縄に行った。どこかはホントに知らない。」
「嘘つくな!じゃあ何で車がないんだよ!」僕は我を忘れて真奈美を壁に叩きつけた。周りの人の視線にハッとして慌てて謝った。
「ごめん…でもほんとに教えてほしい。お願いします。」僕は深く頭を下げた。
「やめてよ、顔、あげて?」
顔はあげられない。泣いていたから。
泣いてる僕に気付くと真奈美は少し黙ってからおもむろに電話を取り出した。
「もしもし。ごめん、見つかっちゃった」僕は思わず顔を上げた。
真奈美は電話を差し出した。
「愛」