紫苑【五】

viola  2007-05-09投稿
閲覧数[300] 良い投票[0] 悪い投票[0]

夜が明けた

僕はふらつく足取りで会社に向かった


仕事中、君の事が頭から離れない

君が僕を見る冷たい瞳
もう逢う事は出来ないのか
あの店に行く勇気がない…
けれど君に逢いたい


仕事が終わり、家に帰った
服を着替えようとした時、
上着のポケットに何かが入っている事に気付いた

僕は何かを取り出した


小さなオモチャの指輪


何処かで見た事があるような…

ふと、頭の中に君が浮かんだ

これは君のものなのか?

…と同時に昔の記憶が蘇ろうとする

思い出せない…

遠い昔の記憶−

僕と君…そしてこの指輪?

「紫苑」

僕は思い出せないまま眠りについた



……。

(此処は何処だ?)

何か懐かしい

僕の前に少女が立っていた

少女は僕に微笑みかける

…君みたいに

そして少女は僕に手招きをし、走って行く

僕は少女を追いかける


何処まで走ったのか

少女を見失ってしまった

呆然と立ちつくしていると、少し離れた所に人が倒れているのに気付いた


近いてみた


倒れていたのは君だった

僕は君に触れようとする

君は目を覚まし僕を見た

そして僕に何か伝えようとした……




(夢…?)


君は何を言おうとしたのか
あの少女は…


僕は指輪を握りしめていた

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 viola 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ